2017年2月下旬キネマ旬報ベスト・テン発表特別号 No.1739
現在、発売中のキネマ旬報2月下旬号は話題の2016年ベストテンですが、本当に読むべきは、同誌掲載の『バンコクナイツ』特集!70年代に「愛のコリーダ」「青春の殺人者」などを論じ尽くした「今号の問題作批評」が限定再始動!傾向の異なる執筆者4名が『バンコクナイツ』を論じ尽くしています!
加えて相澤虎之助インタビューも掲載の全10ページで『バンコクナイツ』に迫る!これはもう事件だ!是非いますぐ書店へ!
“空間の拡がり方、物語の重層性、人間描写の多彩さ、歴史認識の深まり…すべてが途方もない水準に達している。そして、予想外の視覚を切りだす画面、編集の確かなリズム、音楽の素晴らしさ、早くも2017年日本映画のベストワンに遭遇したか、と興奮させられる。”―中条省平(映画評論家)
“バンコクナイツ! その世界は、あらゆる男の欲望を発散する快楽郷であると同時に、男たちの欲望の前に身を開く女たちが儚い夢を日々食い尽くしている苦役の工場だ。女たちは夢を追うからこそ、春を鬻ぐ結果に結びついたのかもしれないと、楽園と失楽園のパラドックスを紡いでいる。”―足立正生(映画監督/脚本家)
“各シーンの密度はあいかわらず濃いが、全体が膨張することでシーンはあちこちに拡散し、そのつながりによるストーリーテリングが散逸しかねない。素直にいって、よく分からないシーンがあるということだ。”―五所純子(文筆家)
“「楽園」は、今いる場所が地獄だと信じている人たちにしか探すことができないところだ。ラックにとって、オザワにとって「楽園」ってどこだったのか。お金や国籍から自由でいられればそこは「楽園」なのだろうか。”―岡映里(作家)